今年の冬は、オーロラを見に行くことにした。
当初はオーロラ観測率の高い、アラスカのフェアバンクスかカナダのイエローナイフに行くつも りであった。
しかし個人旅行で行くとなると、イエローナイフは航空券が取りづらく、フェアバンクスは現地で のフットワークに難がある。
結局、観測率は低いが、航空券が取り易くて現地でのフットワークの良い北欧に、賭けてみる 事にした。
目指すは、フィンランド屈指のリゾート地で、ラップランドの北部に位置する「サーリセルカ」だ。
| 「ヘルシンキの街並み」
「ヘルシンキ中央駅」 |
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フィンランド航空で成田からヘルシンキへ。
ヘルシンキ到着後、そのまますぐサーリセルカまで移動する事も考えたが、
サーリセルカの天候を調べると雪であり、オーロラを見れる可能性が低い為、
ヘルシンキに一泊する事にする。
「路地からヘルシンキ大聖堂を望む」 |
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サーリセルカ
この日は、犬ぞりにトライ。 現地の日本人デスクやホテルのツアー・デスクで犬ぞりのツアーを頼むと、 軽食付の約4時間のツアーで115ユーロであったが、 自分で町にあるツアー・オフィスに直接申し込みに行くと、なんと同じ内容で85ユーロだった。 いかに代理店がマージンを取っているかが分かる。
犬ぞりは予想以上に面白い。 6頭のシベリアン・ハスキーが引くそりを舵取りするのだが、 かなりスピーディーで、ちょっとしたスリルもある。 上り坂にさしかかったり、ブレーキを踏んだりすると、 犬達が振り返って助けを求める様な表情を見せる。 その愛くるしい表情に、思わずそりを押してあげたり、ブレーキを緩めたりしてしまう。 |
| | 途中、ラップランドの森の中のテントで、休憩をとる。 テントの中の焚き火でウインナーを焼き、暖かいラズベリー・ジュースを飲む。 犬達は疲れきってみな倒れこんでいる。 しかし、再び走り出すと、 みな元気を取り戻したかのように疾走する。 犬達には、本当に脱帽である。 ラップランドの森の中、18kmを約4時間かけて走破。
「疲れきってへたれこむ犬達」
「ラップランドの森の中を疾走」 |
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サーリセルカ
この日もオーロラを待ち続ける。 やはり昨日同様、空一面が分厚い雲に覆われていて、星さえも見えない。 am02:00頃から少し雲が切れはじめ、微かに白いオーロラが見えた。 下の写真がそれを写したものだが、分かるだろうか? その後も、雲がかかったり、切れたりを繰り返したが、 結局、am05:00頃まで粘って、オーロラが見える事は無かった。
それにしても、サーリセルカの夜は異常だ。 フィンランドをはじめ、ヨーロッパ各地から、スキー等のウインター・リゾートを求めて人々が集まっている。 しかし誰一人として、夜外を出歩く人はいない。 マイナス20度にもなる北極圏だ。当然と言えば、当然である。 しかし、唯一日本人だけが、うろうろと徘徊している。 しかもあちらこちらに。 マイナス18度の北極圏の夜の街を、全身黒づくめの格好で朝方まで・・・。 |
| | そもそも欧米人に、オーロラを見に行くという考えは無いらしい。 さぞかし日本人の行動が奇異に写ったに違いない。
私もその奇異な行動をとる日本人の一人であったが、 日本人の忍耐力と熟年パワーには驚かされる。 あの寒空の中、朝まで耐えられるのは、さすがに日本人くらいしかいないだろう。 特に熟年層が、若者以上に元気だった。 脱帽である。 |
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サーリセルカ
サーリセルカの天気予報を見ると、しばらくは曇りまたは雪が続くらしい。 雲が出てしまえば、オーロラは見る事が出来ない。 オーロラを見れる可能性がほとんど無いのであれば、早々にサーリセルカを後にして、 観光旅行に切り替えた方が得策かもしれない。 しかし、この旅の目的は、オーロラを見ることである。 そんなジレンマに悩まされた挙句、 結局、天気は回復しないと判断し、サーリセルカを発つことにする。
実はこの決断が、大正解であった。 後日日本に帰ってから、インターネットでサーリセリカのオーロラ観測の実績を見たところ、 (http://www.nordic.co.jp/guide/theme/aurora/a_c/2004_2005.html) この後数日間は全くオーロラが見れていなかった。 僅かな可能性にかけて残っていたとしても、時間を無駄にするだけであった。 オーロラ出現を待ち続けて朝まで起きていると、翌日の昼間も潰してしまうし、 正に悪循環にはまってしまう。 何の為に来たのか、という思いを残して帰国する団体旅行の日本人も大勢いただろう。 この辺が、自由旅行のフットワークの軽さである。 |
| | それにしても北欧のオーロラ観測率の悪さは想像以上である。 1月でまともに見れた日は、ほとんど無い。 我々がサーリセルカにいた前後数日間は全滅で、 昨日だけが見えたことを示す○マークが付いている。 あれで見えたと言うなんて、サギみたいなもんだ。
サーリセルカからバスでイヴァロまで移動し、 イヴァロから、フィンランド航空でヘルシンキまで戻る。 さらにヘルシンキから乗り継いで、ストックホルムまで行く。
→ スウェーデンへつづく |
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| 「フィンランドのお土産」 |
| ヘルシンキから、フィンランド航空にて帰国。
今回の旅の最大の目的は、オーロラを見ることだった。
しかし、天候に恵まれず、
結局、ほとんどオーロラを見ることは出来なかった。
天候が回復しないと判断し、オーロラを早々に諦めるという決断をしたが、
それが結果的には大正解だった。
代わりに、ヘルシンキとストックホルムをゆっくりと見ることが出来た。
また、特筆すべきは、フィンランド人やスウェーデン人の優しさとマナーの良さだ。
特に、車のマナーの良さは、歩行者優先が徹底しており、日本とは比較にならない。
街中を歩いていて、車のクラクションの音を聞くことなどほとんど無い。
ただ、いかんせん物価が高すぎる。
普通に夕飯を食べるだけで、1人2000〜3000円はかかってしまう。
貧乏バック・パッカーには痛いところだ。
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それにしても、北欧のオーロラ観測率の悪さは信じ難い。 やはり、オーロラを見るのが目的なら、晴天率の高い、
アラスカのフェアバンクスかカナダのイエローナイフに行くべきだ。
次回、フェアバンクスかイエローナイフでのリベンジを固く誓う。
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